◆GREETING
私、渡邊ソウイチロウはタイ古式マッサージ普及のための業界団体TTMAを設立し、業界の発展に少なからず関わってきました。学校では15年以上に渡って、数千人に対してタイマッサージの指導にあたってきました。そして、たくさんの疑問や問題点に直面してきました。多くの学校は、マッサージを単なる手順として伝えています。決まりきった手順を、ただ覚えてもらえばそれでいいという教育方針です。私は、マッサージが決まりきった手順を踏めばいいとは決して思っていません。私が考えるマッサージには、決して手順や順番なんかありません。クライアントの身体はひとりひとり異なるもので、同じ手順を踏むだけでは決して効果を発揮することができないからです。ですから、今まで多くのプロセラピストや国家資格者に対して、私自身が考えたマッサージを指導してきました。タイ古式マッサージの名のもとに指導してきましたが、正確に言うならば、それは私流のマッサージのやり方です。多くのストレッチングテクニックを私が考案し、それを学校の授業の中で伝えてきました。私自身、タイ古式マッサージが何たるか・・・未だにわかりません。私が指導してきたのは、あくまでも私のマッサージスタイルです。もしも、タイ古式マッサージが決まりきった手順を指すのであれば、卒業した生徒さん達に私は謝らなければなりません。
多くの生徒さんに質問されました。「どうすれば、マッサージが上手になりますか?」私は答えました。「上手にマッサージができるようになりたいのなら、まず、マッサージが上手になろうと思わないことです。クライアントが望むものを提供すれば、きっと「上手だね」と言われることでしょう。」相手が望むものをまずは受け止めることです。そして、言葉にならないニーズやウォンツを形にすれば、それでいいのです。そのためには、自分の気持ちを穏やかにして、相手の身体にそっと触れれば、相手心や身体が何を欲しているかわかるはずです。身体同士が触れ合っているわけですから、エネルギーは自然に伝わります。自分を無にして、自分と相手との境目がなくなれば、自分は相手であり、相手は自分になります。自分自身の我を張ったままだと、自分自身の殻に閉じこもった状態ですから、何も見えてきません。テクニカルスキルを学ぶ前に、まずマッサージをする時の心の在り方が重要なのです。
私はマッサージは道だと思っています。心を穏やかにして自分自身の我を無くすこと。そして、相手と自分のエネルギーをひとつにすること。そうすれば、身体が勝手に動いて、相手が望むマッサージができるものです。この地球に、この宇宙に自分自身を溶け込ませることができれば、もっといろんなものが見えてくるでしょう。
ヨガに多くの流派があるように、タイマッサージの流派も考え方によって枝分かれしています。バンコクスタイルは定番ですが、指圧的な要素が強いですし、ストレッチが多いと言われているチェンマイスタイルも実のところ大したストレッチは含まれていません。政府系のガバメントスタイルは安全性を重視したテクニックですから、ストレッチはほんのわずかです。
今までこの施術法をバンコクスタイルを学んだ生徒さんやチェンマイスタイルを学んだ生徒さんにのみ伝えてきましたが、最近になってそれが遠回りであったことに気づきました。そこで、このレッスンスタジオでは、経験者・未経験者を問わず、最初からこの施術法を伝授してゆきたいと考えています。 |